中小企業にとって設備投資戦略は経営における最も重要な意思決定です。
一般に設備投資は経営にとって大きなリスク要素です。設備投資の効果は短期的な視点では正確に計測することが困難です。そもそも、現在その設備を保有していないには理由があるわけで、新たな設備を手に入れたからといって、すぐに効果が出るかどうかはわかりません。しかし、企業の長期的な成長にはその設備投資は不可欠なように思われます。

設備投資をすると、その投資を回収しなければなりません。経営資源であるヒト・モノ・カネ ・ジョウホウをその投資案件に集中的に投入します。
これは、それ以外の事業への資源投入を制限することになり、経営の自由度は下がり、不測の事態への対応力を損ないます。
また、設備投資を余剰資金だけでおこなうことは少なく、何らかの資金調達が発生します。融資なのかそれ以外なのか、いろいろありますが、どちらにしても財務状態は一時的には悪化します。
設備投資がすんなり奏功して設備が垂直立上げとなるケースは少ないと思います。だからといって、成果を急いで無理をすると不良在庫が山となったり、従業員が疲弊しきったりします。
設備投資は正しい方向性を以って実行すべきだといいますが、現実には難しい決断です。最後の最後は、経営者の勘に頼ることになるのかも知れません。
とはいえ、いずれにしても最大限の努力をすることは大事です。そのうえで、人事を尽くして天命を待ちます。