電動シリンダーに替えれば日本の電力消費量が4%減る

入力エネルギーを物理運動として出力する機械要素をアクチュエーターといいます。 

 

アクチュエーターにはいろいろな種類がありますが、最もわかりやすいのがシリンダーです。シリンダーで最も広く使われている入力エネルギーは空気圧です。工場のシリンダーの多くがエアシリンダーです。電気エネルギーが入力されたコンプレッサーは圧縮空気を出力させ、この圧縮空気がシリンダーを運動させます。

 

電動アクチュエーター(THK)
電動アクチュエーター(THK)

圧縮空気をつくるコンプレッサーの消費電力は非常に大きくなります。日本産業機械工業会によると、日本全体の電力消費の5%がコンプレッサーで消費されている可能性があります。

 ☞ 2024/10/22 コンプレッサーの消費電力は日本全体の電力の5%を占めるか?

 

省エネ診断ではコンプレッサーの省エネを提案することが多いです。しかし、根本的な解決策として電動化を検討したいと思います。

 

空気を使用するメリットは、構造がシンプルで、小型で安価であること、高速で力が強いことです。

電動化はこの逆ですが、細かい制御ができるメリットがあります。このため、半導体製造や自動車ねど先端産業では電動アクチュエーターが多用されます。

 

そして、省エネの観点では空気に対して電動化は大きなアドバンテージがあります。

空気式は電気で圧縮空気をつくって運動に変えるので、2回のエネルギー変換があります。電動化は電気が運動に直接変換されます。

空気式は空気をタンクから配管を通して送ります。このとき、配管との摩擦や渦や乱流による損失(圧力損失)が発生します。また、圧縮された空気は漏出して僅かずつでも圧力を下げていきます。配管内の空気圧は常に一定に保持されなければならないのでコンプレッサーはアイドリング状態で常に稼働しています。

 

結果としてエネルギーを運動に変換する効率を比較すると、空気式は電動式の5倍くらいになります。最初の日本の総電力の5%がコンプレッサーで消費されているならば、電動アクチュエーターに全て交換することで日本の電力消費を4%減らせる可能性があります。

日本の電動アクチュエーターメーカーは世界最高水準にあります。今後に注目です。