今年の夏もとにかく「暑い」。もはや、「熱い」のほうが似合いそうです。
暑いと農作物の生育に影響が出ます。お米の作況が高温障害で悪くなりそうだと心配されています。キャベツやレタスなど葉物野菜は端部が茶色に変色して商品価値が落ちますし、トマトなども日焼けして色が褪せています。リンゴや柑橘の日焼けも目立ちますし、ブドウは本来の濃い色がつかなくなっています。

農作物の被害は直感的にわかるのですが、工業プロセスでも気温が高いのは困ります。
元の会社では湿式合成で酸化鉄を製造していたのですが、夏場は特に品質を安定させるのに苦労しました。但し、これは40年近く前のお話です。
化学反応ですから、温度制御は重要です。リアクターは高さが10m近くあり、1本の容量が数十㎥ です。酸化反応には細かくした空気(気泡)を使うので、気泡塔という形式のリアクターです。
入社した当時のリアクターは裸のものが多かったのですが、製品の品質管理が厳しくなったので、水冷のジャケットで全体の温度制御をするようになりました。
反応に使う空気の量は膨大です。気泡塔では空気は酸化反応だけではなく、液の攪拌用でもあります。液体のなかから固体を析出させる反応なので、攪拌は重要です。要するに大量の空気を所定の温度でリアクターに投入する必要があります。
その空気の温度は厳密に管理されないといけません。熱交換器で温度を下げることでコントロールするわけですから、猛暑は大敵です。幸いなことに、40年前にはこんな猛暑ではなかったのですが、調整には苦労がありました。
当時の装置では、この夏の猛暑には対応でそうにありません。今では、ハード面での対策がとられていると思いますが、やはり苦労しているのではないかと思います。
