BCP(事業継続計画)について支援するなかで、ちょっとジレンマがあります。
BCPを作成するのは、事業者が不測の事態に遭遇したとしても、重要な業務を継続あるいは中断期間を短くすることが目的です。特に、その業務がサプライチェーンの重要なノードであるような場合には、早期の復旧が望まれます。

BCPでは、いろいろな方法を考案し、検討し、準備をし、教育訓練をおこないます。企業の持続的な発展のために、重要業務の継続は不可欠です。
従業員にも、その業務の意義をしっかり伝えることも大事です。計画の遂行に身が入り、成果も大きくなります。
ここで、ちょっとジレンマなんですが、業務の重要性を知ることは、「どうしても私たちがやらなければならない」という使命感を醸成します。すると、そこにムリが生じることがあります。ムリが出来ない場合には、近道を探したりします。ムリや近道は危険ですし、別の大きなリスクにつながります。
この頃合いは文書化するのも難しいですし、不測の事態では経営者の判断を待っている余裕が無い場合もあります。 何にしても、ヒトの安全と会社の信用を守るというBCPの第一義を頭に置いて、関係者でコミュニケーションを図ったうえで、対応をシミュレーションしておくとよいでしょう。
少し話が変わりますが、企業が不正に手を染めたとして糾弾され、事業継続を断念するような事例が時々おきます。この場合に、単に利益を得るため(あるいは利益を失わないため)に不正をしたというケースはほとんどありません。
その事業が、お客様にとって不可欠なものであり、自社以外に代替できるところがないといった、自社へのプレッシャー、責任感、使命感などが不正への門を開きます。組織としての規範を持つことも大事ですが、関係者間のコミュニケーションが予防になります。
