生産設備の移転は新営するよりコストがかかるかもしれない

会社や工場の幹部が、今ある設備をどこかに移転しようと計画することがあります。 

 

何度か経験したのですが、担当する者としてはとても嫌です。幹部たちは、新しく機会を買えば高くつくのに対して、今の機械を移転して使えばお金もかからず簡単だという発想です。

家電のテレビや冷蔵庫を移転するのと、工場の機械を移転するのは全く状況が異なるのですが、いくら止めましょうと言っても聞いてくれなかったことがあります。

 

工場設備
工場設備

そもそも、工場の設備は移転することを前提として設置されていません。その場所で、ずっと動くことを想定してつくられているので、分解することすら困難です。

 

仮に苦労をして分解できたとしても、移転先できちんと組み立てられるとは限りません。再使用できない部品などもありますから、新しく購入したり製作したりします。このときに、全く同じ部品ができなければ機械側の調整も必要です。

 

とにかく、いろいろな障壁があるので、機械の移転はとても面倒で、時間がかかり、結局のところ新営するより費用が嵩んで終わるということになりがちです。もっと最悪なのは、移転した機械がきちんと動かないとか、以前の工場で達成できていた品質を再現できなかったときです。元の工場に戻すわけにもいかないので、現場の製造担当者も巻き込んでみんなが右往左往することになります。

 

どうやら、生産拠点の再編が(ときには国境を超えて)がたくさん起こりそうな情勢です。

その際に、経営幹部が安易に設備移転を考えるのは危険です。現場の担当者や、生産技術の技術者の意見をしっかり聴取して、責任者を決めて取り組むことが大事です。