水道管の老朽化、とりわけ漏水が話題になります。水道管からはかなり水が漏れます。
山口県の水道事業統計です。2023年の給水量は1億6273万㎥で有収水量は約88%の1億4366万㎥でした。差し引き1907万㎥は行方不明です。もちろん、全てが漏水というわけではなく、量水器の検出下限以下の小流量利用などその他の原因もあります。ただし、漏水が意外に多いというのは事実です。

水道管の漏水は陥没事故などにつながると大変ですが、少々では誰も気づきません。少しづつ漏れているなら、あまり大きな問題にもなりません。
しかし、漏水を放置するのは資源のムダです。資源は水そのものだけではありません。日本のようにきれいな水を求めると、浄化するのに多量の電力などエネルギーが必要です。水はエネルギーの塊でもあります。
これは、経済的な損失でもあります。水道局は消費した分の水に対して料金を徴収するわけで、漏水分は損失になります。水道局は赤字になると困るので、自治体が補填することもあるでしょうが、最後は水道料金値上げの形で市民から徴収します。
もっとも、水道の給水量は毎年減っているので、水道局の収支は悪化し続けています。いずれにしても、水道料金は上がっていきます。
漏水でもう一つの懸念が地震がおこったときです。漏水している、漏水を放置しているということは、その部分の水道管は虚弱です。地震で漏水の程度が拡大すると、水圧が抜けてしまって下流に水が届かなくなる懸念があります。いわゆる出水不良ですが、大規模震災では広域化や長期化が懸念されます。
いずれにしても、水道管の漏水は早期発見、早期修復できる体制をつくる必要があります。