国際単位系(SI)で、温度の単位はケルビン(K)です。
ケルビン(K)は「水の三重点温度を273.16Kとする」と定義されていました。しかし、「水」を厳密には定義できないことから、2019年5月20日に「ボルツマン定数kを単位J K-1(kg m2 s-2 K-1に等しい)で表わしたときに、その数値を1.380 649×10-23と定めることによって定義される」に代わりました。

絶対零度は-273.15℃です。水の三重点温度が0.01℃なので、ケルビン(K)の定義の273.16Kとちょっと混乱します。
理想気体の状態方程式では、絶対零度で体積(あるいは圧力)がゼロになります。
さて、ケルビン(K)という単位を考えついたのは、イギリスの物理学者ケルビン卿です。 温度には下限があるという概念に至ることは結構難しいことだったと思います。
ケルビン卿は地球物理学にも興味があって、地球の年齢を約4億年(正確には4億年を超えない)と推定しています。これは、地球が誕生したときには溶融していて、徐々に冷えてきたと仮定して、現在の温度になるには最大で4億年が必要という計算でした。
実際の地球の年齢は約46億年です。小さな惑星がぶつかって、大きくなって誕生した地球はケルビン卿の予想通り溶融していました。46億年と4億年の差42億年は、地球は冷えていくと同時に温まっているということを意味します。
地球を温めているものが、放射性崩壊(放射壊変)による発熱です。ウランやトリウムなどの放射性元素の発熱効果で地球は内部から僅かずつ温められていたということです。
放射壊変による熱が地熱です。化石燃料の燃焼に代えて、地熱の利用を進めようというわけです。長い目でみれば、活用をすすめるべきエネルギー源であることがわかります。