人は力持ちに憧れる。櫛田神社の力石

櫛田神社は博多の総鎮守、博多祇園山笠が奉納される神社として有名です。

 

櫛田神社に力石が奉納されています。力石は古くは神の宿る大石を持ち上げて、神の意思を問うという意味だったそうです。その後は、力士や武士などの力自慢の道具になってきました。櫛田神社の力石は無造作に置いてあるだけですが、一般の人ではビクともしない重さです。

 

櫛田神社の力石
櫛田神社の力石

人気があるのは現代の横綱の力石です。

九州場所に来博した際に奉納されたようで、白鵬関と朝青龍関、貴乃花関と若乃花関の力石が並んでいます。

力石の実際の重さは80~120㎏ほどで、大相撲の力士であれば持ち上げることが不可能ではないようです。

 

櫛田神社には江戸時代の古い4個の力石が奉納されていて、文化財に指定されています。

 

力石で一番古いのは文政十三年五月(1830年5月)とあるので、200年近く前のものです。重さは四十六貫目(172㎏)とあります。

力石には奉納した者の名前が刻まれていますが、それぞれ博多の豪商や廻船問屋です。当時の博多でも相撲が勧進されていて、有力な力士が全国から集まっていたようです。

 

何でも、博多角力の歴史は古く、寛延一年(1748年)に博多には50人余りの相撲取りがいたということです。その頃の力自慢の力士たちも、力石を持ち上げたり、運んだりしていたようで、博多の辻々には大石が置いてあったものだそうです。