プロ野球年棒調査に学ぶ従業員満足度向上

プロ野球選手会が会員の年棒調査の結果を公表しています。 

 

2023年の会員の契約更改の満足度をチーム別に集計したデータもあります。満足度が最も高いのは阪神タイガースで60%の選手が満足しており、過去の調査でも最も高い値だそうです。以下、ソフトバンク、千葉ロッテと続き、ここまでが50%以上です、4位から11位までは概ね40%台ですが、最下位の楽天は24.19%と結構ぶっちぎりました。

 

日本プロ野球選手会 年棒調査
日本プロ野球選手会 年棒調査

契約更改全体の満足度を訊ねているので、対象が年棒の金額だけではないことに注意です。 しかし、やはり満足度の中心は報酬の金額となると思います。

 

一般の会社でも従業員の処遇への満足度が高いことは業績向上につながると思いますから、ちょっと分析してみます。

 

ジニ係数というのは、所得の不平等の程度を示す指標です。0に近づくほど所得は平等に近く、1に近づくほど不平等となります。 

年棒調査の分析
年棒調査の分析

日本のジニ係数は当初所得段階で約0.55で、税金とかを引いた再分配段階では約0.33です。一般の社会では、再分配後ジニ係数が0.2~0.4の範囲が好ましいとされています。

 

さて、満足度とジニ係数の関係をみると、1位と3位の阪神とロッテのジニ係が低い=年棒格差が小さいです。平均年棒は高くないのですが満足度が高いです。

同じく、ジニ係数が低いのが日ハムですが、こちらは満足度が11位となっています。日ハムは平均年棒が断トツの最下位で、言葉が悪いですが、みんな等しく低い年棒ということで不満があるのだと思います。

 

一方で、ジニ係数はそれほど低くないが満足度が高いのがソフトバンクです。こちらは平均年棒が巨人に次いで高く、中央値はトップですから、他球団と比較して好待遇ということで満足度が高いようです。平均年棒でソフトバンクを上回る巨人ですが、ジニ係数が全球団で最も高く、年棒の不平等の程度が大きいようです。これが、好待遇であっても満足度で7位と伸びない原因と思われます。

 

従業員の給与計画を立てる際に参考になるかもしれません。