旧約聖書にある「ダビデとゴリアテ」の戦いを想起することは難しい。
今から3千年も前のことです。今のガザを含む地域に、地中海の海の民であるペリシテ人が進出してきました。ペリシテ人はイスラエルを攻撃して領土を広げようとしています。ペリシテ人の歩兵ゴリアテは怪力の大男で、ペリシテ軍の最前線に立ってイスラエル軍の兵士を薙ぎ払います。イスラエル兵はゴリアテの強さに怖じけて戦おうとしません。

イスラエル兵の苦戦をみて、痩身の羊飼いダビデがゴリアテへの戦いを挑みます。頑丈な鎧を身にまとい強力な槍を振り回すゴリアテに対して、軽装のダビデはとても勝てそうにありません。
ダビデは主のご加護のみを信じて、ゴリアテの顔をめがけて小石を投げ込みます。ダビデが投げた石はゴリアテの顔にめり込んでゴリアテは倒れます。これに勢いを得たイスラエル軍はペリシテ人を駆逐します。
その後、ダビデは全イスラエルの王となり、エルサレムに進撃して都とします。
イスラエルは自らを痩身の羊飼いダビデ、パレスチナ人を巨人ゴリアテに擬しているのかも知れません。しかし、3000年の時を経てこの物語を思い起こすことはできません。
暴力による占領や人権封鎖では世界の人々の共感を得ることはあり得ないでしょう。
さて、戦略面では主として長い槍を使う武装歩兵による戦いが行われていた時代に、投石器を使う投石という戦術を採用したダビデの先進性が評価されています。歩兵の槍・盾・鎧に対して、投石は攻撃力が強い割に非常にコストが安く使いやすい戦術でした。
現代では、高額な戦車・艦船・ミサイルなどを次々に撃破している無人ドローン攻撃がこれに当たります。
