マイクロバブルが大型船舶の燃費を向上させる

ホルムズ海峡が事実上閉鎖されたことで、国際間の海上輸送の話題がよくでます。 

 

大きな船が運行されると多くの燃料を消費することが想像されます。船舶における最新の燃費改善技術に「空気潤滑」があります。2010年頃から徐々に実用化が進んで普及してきました。昨年(2025年)1月には、空気潤滑の第二世代となる高度空気循環法AdAMを適用した1番船となる「ちゅらさん」が就航しています。

☞ 海上技術安全研究所 流体制御研究グループ

 

空気潤滑「ちゅらさん」
空気潤滑「ちゅらさん」

船舶は燃料消費効率が最も高い輸送手段です。エンジンやスクリューの改良によって燃費はどんどん向上してきました。

 

船舶の場合は、いろいろな抵抗によって燃料消費が増えます。

船舶にかかる抵抗で最も大きいのは船体の摩擦抵抗で全体の6~8割を占めます。次に船舶への水の圧力で生じる形状抵抗、船舶が進むことで発生する造波抵抗、水上にある船体が受ける空気抵抗などがあります。

 

形状抵抗を減らすために船底の形状には様々な工夫がされています。造波抵抗を減らすには球状船首が採用されています。空気抵抗を減らすために水面上の構造に角ばったところが減っています。

 

最大の抵抗である摩擦抵抗を減らす工夫が空気循環です。マイクロバブルを使って船体の摩擦抵抗を低下させます。第二世代では、最適な制御を施しながら船体に周期的に空気を吹出すことで省エネ効果を高めています。今後はタンカーやコンテナ船などの大型船舶に実装されていくことが期待されます。