津和野「源氏巻」は可愛い少女が由来

イベントがあったので津和野に行きました。いつ訪れても素敵な街です。 

 

津和野の有名なお菓子に「源氏巻」があります。源氏巻というネーミングは源平合戦の源氏が由来かと思っていました。今回初めて、紫式部の「源氏物語」がその由来だと知りました。

幕末の頃に津和野の菓子司が薄い生地に紫色の餡を包んだ菓子を藩主に進上しました。すると藩主の奥方が紫の餡を気に入って「源氏物語」の「若紫」に出てくる歌を詠まれたそうです。それにあやかって、菓子の名前は「源氏巻」と名付けられました(諸説あります)。

 

源氏巻
源氏巻

「若紫」にでてくる和歌は「手に摘みて いつしかも見ん 紫の 根に通ひける 野辺の若草」です。(瀬戸内寂聴の現代語訳:早く手につんでみたいよ、紫の縁につながる野辺の若草)

 

光源氏が若紫に対して読んだ歌です。若紫は後に光源氏の後妻となる紫の上の若い頃のことです。この当時は数え10歳、今なら9歳の少女です。

若紫は、光源氏の実父(桐壺亭)の三番目の后である藤壺の女御の兄である兵部卿の宮の子です。光源氏は桐壺亭の二番目の后の子で、桐壺帝は7人の后があります。藤壺の女御は光源氏の継母ですが、初恋の人でもあります。光源氏と藤壺の女御と関係を持って子を授かります。桐壺亭の子として生まれた皇子は後に冷泉帝となります。

 

光源氏は初恋の人藤壺の女御の姪にあたり、よく似ている未だ9歳の美少女若紫を、早くつんでみたいと心情を吐露しているわけです。ややこしいですが歌のなかの「紫」は藤壺の女御のことです。源氏物語で光源氏が男女関係を持つのは、全部で13人です。若紫(紫の上)は光源氏の最も熱い寵愛を受ける存在になります。

 

源氏物語には、光源氏以外の登場人物にもいろいろな男女関係が登場します。浮気、不倫、不同意性交など、現在の基準では許されない不道徳なものが多く、結構な無茶苦茶ぶりです。

もちろん源氏物語を原文で読んだことはありません。瀬戸内寂聴さんの現代語訳で読んだことがあるだけです。仮に、瀬戸内寂聴の源氏物語であっても、全部を読み通すには相当な忍耐が必要でした。

 

話が横道に逸れましたが、津和野の源氏巻は若紫の初々しい可愛らしさを感じさせるお菓子です。山口県のお隣、山陰の小京都・津和野においでませ!