トランプはモンティーのジレンマを知っている

新しい情報を得たら必ず意思決定を見直すことが大事です。 

 

有名な「モンティー・ホール問題」というものがあります。随分前にこのブログで取り上げたことがあります。最近の打合せで随分と頑なな方があったので思い出しました。

☞ 2014/09/06 3つのドアの問題(モンティホール・プロブレム)

 アメリカのテレビショー"Let's make a deal.(取引しよう)”で、司会者のモンティー・ホール(Monty Hall)氏が出していた問題です。 

 

何となくですが、知的な人ほど迷わせる問題です。

最初に選んだドアが当たりの確率は1/3です。残り二つも1/3ずつですが、モンティがハズレを教えてくれたので、選んでいないドアが当たりの確率は2/3になります。つまり新しい情報を得た場合に、最初の意思決定を変えることが正しい選択ということです。

 

ところが、現時点に立ち返って、ドアが2つになったから当たる確率はどちらも1/2と考えたくなります。しかし、答えを知っているモンティーがハズレを開けるという行為を行ったことで確率が変化したのです。

視点を変えてハズレの確率を考えると、最初に選んだドアがハズレの確率は2/3です。残った2つのうちどちらかがハズレの確率も2/3でしたが、モンティーが一つのハズレを明かしたので残ったドアのハズレの確率は1/3(つまり当たる確率は2/3)になります。

 

人は既に決断していたことを覆して失敗することを恐れる性質があります。初志貫徹して失敗しても諦めがつくが、変更して失敗すれば後悔が募るのです。その結果として、成功確率の低い意思決定をおこなう場合があります。

 

ビジネスにおいても、モンティーのように隠れた情報を持っている人が、何らかの行動を起こすこと(示唆をあたえるとか)があります。この場合は単なる確率ではなく条件付き確率問題になります。成功確率は動的に変化するわけです。意思決定者の能力によって業績に大きな違いが生まれることになります。

 

トランプディールの成績が高いのは(高く見えるのは)、彼がモンティーホールのパラドックスを知っていて(あるいは感じていて)、より成功する確率の高い選択をする柔軟性(行き当たりばったりに見えるかもしれないが)を保持しているということでしょう。