不幸中の幸い。宇部市の都市ガス圧力上昇事故には驚いた

宇部市は都市ガスの圧力異常とこれに起因する火災事故で朝から大騒ぎです。 

 

宇部市のなかでも私の住んでいる地域ではプロパンガスを使用しているので、特に問題はありません。宇部市の中心市街ではガス供給が一時的に遮断されています。火災などの危険はなくなりましたが、当分は炊事や入浴などで不自由なことになりそうです。

 

山口合同ガスの供給網
山口合同ガスの供給網

家庭に供給されている都市ガスの圧力が異常に高くなって火災を引き起こすという、前代未聞の事故です。常識では考えられない事故で、どうなってんの?!という印象です。

 

ガス会社のWebサイトによると、北九州港に着いたLNGは下関市彦島のガス工場で都市ガスになり、小野田のガス工場を経由して宇部市方面につながります。

 

宇部市中山GS(この前の道、よく通ります)の整圧器で300kPaまで減圧されて宇部市街へ都市ガスは供給されます。山口大学医学部病院のような大口需要家には300kPaの中圧のままで都市ガスは供給されます。一般向けには一旦150kPaに減圧して供給地域全域に運ばれ、さらに市内29カ所に58基設置されている整圧器で2.26kPa(一般の都市ガス圧力は1.0~2.5kPaに規制)に減圧して家庭や店舗に送られるという仕組みです。

 

ガス会社の説明では、ガス圧異常の警報が宇部営業所の宿直室に鳴動(2.5KPa以上で鳴るそうです)して、圧力を確認したら28kPaと通常の12倍になっていた。現場を確認したら、58基の整圧器のうち、栄町の1基に故障があって一次側のガス(150kPa)が二次側にそのまま流れ込んだということです。

 

驚いたのは、この整圧器に緊急遮断弁が無かったということです。整圧器は機械式のもので、故障することは考えられますから、二次側圧力が上昇したら遮断する仕組みは絶対に必要と思います。さらに、家庭や店舗のガスメーターは圧力が下がったら(地震などで配管が破損するとか)自動遮断するが、圧力が上がっても遮断されない仕組みだそうです。

 

高圧ガスの法律はややこしい(内規や通達がやたらと多い)ので、しっかり確認していませんが、昇圧する装置の規制はしっかりあるのですが、減圧側の規制が曖昧です。圧力が異常に高くならないような措置を講ずる義務はあるのですが、一次圧より高いわけではありません。

 

整圧器は原理的に緊急時閉止となりそうにありませんから、少なくとも低圧供給する都市ガス整圧器には緊急遮断弁設置を義務づける必要があると思います。また、異常圧力を認知した時点で直ちに元栓を閉めて供給停止の措置をとるべきだったようにも思います。(認知は午前4時で供給停止は9時30分)

 

今回、発生した火災は22件と数は多いもののいずれも小規模でした。但し、これは単に幸運だっただけです。火災が多く発生したのは宇部市の古い市街地で、空き家を含めて住居が密集しています。大分市の大規模火災のようなことにつながっていた危険もあると思います。

再発防止策をよく考えて徹底して実行することは大事です。