ここらで労働法規制全体を原則に立ち返って見直してもよいかな

高市首相が労働時間の規制緩和について検討するよう指示しています。

 

賛否両方の意見があるようですが、新聞社の調査によると賛成が優勢です。特に20代とか若い世代では8割くらいが賛成しています。但し、ここで注意が必要なのは、自分が長く働きたいと思っているのではなく、あくまで規制緩和に賛成しています。自分以外の誰かがもっと働きたいと思うなら自由にしてあげればいい、という意見です。

 

労働時間の規制緩和
労働時間の規制緩和

人が労働を提供して賃金を得る。会社が有償で労働の提供を受ける、という行為は労働契約の締結によっておこなわれます。本来、両当時者は対等の立場であり、契約自由の原則があります。

 

※「契約自由の原則」は、個人が契約を結ぶ際、国家など他者からの干渉を受けず、自分の意思で自由に行えるとする基本原則。

 

契約自由の原則は、近代において市民が闘争によって獲得した重要な権利ですから、国家権力による制限は好ましくはありません。その数少ない例外が労働法です。

 

労働法に国家権力が介入するのは、雇用と労働の関係では対等性が担保されず、苛酷な労働の強要が起こっていたからです。最低賃金や労働時間の上限規制などです。また、労働側にだけ労働組合をつくって交渉するという団体権を付与しました。

 

国家が規制に介入することが社会的に認められたことによって、その介入の程度は時代を経るにしたがって、より広く深くなりました。労働契約法、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働組合法などにはじまり、労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法、高齢者雇用安定法など、数多の法律や規制が増えています。

 

高市首相の意図を理解しているわけではありませんが、過剰になっている労働規制を一度立ち止まって見直すのは、あながち悪いことではなさそうです。