自民総裁選~収支からみる公約実現の可能性

自民党の総裁選が連日いろいろなニュースを提供してくれています。

 

政治の役割にはいろいろなものがありますが、取り上げる本質が財政です。政治とは個人の懐に手を突っ込んでカネを奪い、奪ったカネを他の個人に配る機能と言ってもあながち間違いではありません。総裁選の候補者の公約では、誰からどれだけ奪い、誰にどのように配ると言っているのかを見極めることが大事でしょう。

 

奪うと配るでは生々しいので税では歳入と歳出、社会保障では負担と給付で見てみましょう。

 

歳入を増やすのには税と国債があります。国債の増発を考えているのが高市さんです。逆に小泉さんは国債の発行に抑制的です。その他の3人は国債増発には抑制的です。

所得税減税に関しては手法の違いはありますが、林さんを除く4人は実施の方向のようです。林さんは石破政権を引き継ぐ現金給付です。消費税減税は5人とも否定的ですが、ガソリン暫定税率廃止は茂木さんを除いて実施の方向です。

まとめると、歳入を直接的に増やすとしているのは高市さんだけで、その他の方は経済がよくなれば税収が増えるという理屈です。

 

歳出の方は5人とも増やすという主張です。特に小林さんは、防衛費の大幅増を表明していることからも増加幅が大きそうです。高市さんと小泉さんも歳出増が大きそうでうが、茂木さんと林さんは抑制的です。

 

歳入と歳出のバランスで言えば、小林さんの公約が入りを増えず出が増えるので少し心配です。次に、小泉さんのバランスも出に対して入りが減ります。

茂木さんは増税ゼロを公約にして、入りも出も大きく増えないようです。林さんも同様で、出の増加は防災庁設置や国土強靭化の公共投資くらいで抑制的です。

高市さんは積極財政を標榜して入りも出も増やすということです。

 

社会保障の負担と給付は税以上に規模が大きいのですが、5人の候補ともあまり強く主張をしていません。小林さんが保険料負担の減額に少し言及しているのと、高市さんが国民民主党を意識してか年収の壁を取り上げているくらいです。

給付に関しても、介護職員の処遇改善やOTC医薬品の保険適用除外などが取り上げられていますが、大きなテーマにはなっていません。

 

※ 今年度予算で日本の歳入/歳出は約115兆円。歳入のうち78兆円が税(+地方税収45兆円)、28兆円が国債(謝金)。歳出のうち38兆円が社会保障費、9兆円が防衛費、国債費は28兆円。

※ 社会保障費の負担/給付は約141兆円。負担のうち82兆円が保険料、残りが公費負担。給付は年金が63兆円、医療が43兆円、福祉が35兆円。

※ 合計した国民負担率は約46%。

 

印象としては、さすがに政権与党の総裁選びです。先の参議院議員選挙のように、収支が極端におかしい候補はおりません。その分、面白みが無いとも言えますから、結局は各候補の政治信条や理念で選択されることになりそうです。