脱炭素(GX)は、今や「風の前の塵に同じ」といった風情です。
地球温暖化を止めて、気候変動や異常気象による被害を抑制するには、脱炭素は必須です。しかし、トランプ大統領が率いる米国だけでなく、欧州諸国でも脱炭素政策に反対する政治勢力が徐々に優勢になっています。最後の砦?であった日本もガソリン暫定税率廃止など炭素排出量増加政策に舵を切っています。

中国やロシアを含む化石燃料の資源国は元々脱炭素には否定的です。地球温暖化による海面上昇で、国土が消失してしまう危険に直面する太平洋やカリブ海の島しょ国がどんなに言っても、なかなか聞く耳は持たないようです。
反脱炭素派の主な主張は、脱炭素は負担増になるというものです。日本では物価高や不景気になるといわれます。
日本が計画通りの脱炭素化を推し進めると、企業が排出量抑制のために高価な再エネを使うことになり、2030年のGDPは30兆円押し下げられるという見立てです。
中国やロシアをはじめ、化石燃料でエネルギーを自給できる中進国や途上国では、さらに化石燃料の使用を増やして競争力を強化しています。トランプ政権で脱炭素に関わる予算を打ち切り70兆円を節約したアメリカは、化石燃料の使用でAI革命を果たそうとしています。
要するに脱炭素は金がかかり負担が増えるので、やめてしまえというのですが、地球温暖化による被害を無視してよいのでしょうか? 2024年の自然災害による経済損失額は世界で約55兆円、死者は1万8000人を超えています。
また、このままいけば今世紀の後半には地球温暖化による年間の経済損失額が500兆円を超えるという試算もあります。熱中症などの気候変動死は毎年25万人になるというWHOの試算は、かなり控えめな印象があります。
世界は破滅への道を歩み続けています。化石燃料の逆襲に負けてはなりません。
