塗料出荷重量はコロナ禍から復活できていない

新型コロナ禍は終息しましたが、塗料業界ではその影響が継続しています。

 

新型コロナ感染症に関わる狂騒は多くの事業に甚大な影響を与えました。コロナ禍の終息とともに、その道程はいろいろですが、事業活動は復旧してきました。なかには、コロナ禍前を超えて伸張してきた事業もたくさんあります。しかし、塗料の販売数量でみると、コロナ禍での減産が今に至るも変わらず減少したままです。

 

塗料出荷額の推移
塗料出荷額の推移

塗料工業会の最新データです。塗料出荷重量の12か月移動平均を示しています。

コロナ禍で大幅に減少して以降、若干の揺り戻しはあったものの出荷重量が回復することなく右肩下がりです。

 

塗料の最も大きな用途は建築ですから、建築需要への意欲が停滞してきているということでしょう。

そして、気になるのが塗料の二番目の用途である自動車です。トランプ関税問題の影響を最も強く受けそうなのが自動車です。自動車生産が停滞するようであれば、塗料業界には大きなダメージがありそうです。

 

但し、塗料の出荷重量の減少が直ちに塗料会社の業績悪化につながるわけでもありません。実際に日本の大手塗料メーカーは業績を伸ばしています。

出荷重量が減少しても、より高付加価値、高機能の塗料を開発して市場に投入しています。コロナ禍を逆手にとった抗ウイルス塗料などはその典型です。地震の懸念が高まっていることから、防炎や耐火塗料も好調のようです。

それでも、トランプ禍の行く先不透明なことは、大きなリスクです。