BCP守るものは生命と信用。ヒーローやヒロインに会いたい

BCP(事業継続計画)では、絶対に守らなければいけないものは「生命」と「信用」の二つだけだと絞り込むとよいです。

 

「生命」と「信用」はカネで買えません。一度失うと取り戻すことができません。極論するなら、それ以外のモノはカネで何とかなります。カネがなければダメじゃないか!という方もいますが、カネは天下の周りものです。公助や共助に頼る気になれば何とかなることもありますし、一度は破綻しても時が来れば再起も可能です。

 

東日本大震災発生後のホームセンターダイシンの様子
東日本大震災発生後のホームセンターダイシンの様子

東日本大震災の翌日に、宮城県に13店舗を展開していたホームセンター・ダイシン(アイリスオーヤマの子会社)は、倒壊した1店舗を除いて12店舗で営業を再開しました。

 

余震も停電も続いていたので、店外(屋外)での販売です。

レジ機はないので電卓で手計算して、手持ちのお金が無い人にはノートに金額を書いてもらって後払いでの販売でした。まだ寒い時期でしたので、店長の判断で、灯油を10lまでは無料で配布していた店もありました。この店長は「ダイシンのヒーロー」のひとりです。

☞ アイリスオーヤマwebサイト「震災10年とアイリスのあゆみ

 

今月の日経新聞の私の履歴書で、ソニーの元社長平井一夫さんが書いています。~社長になって最初に訪問したのが「仙台テクノロジーセンター」だった。、東日本大震災で奮闘した「ソニーのヒーローたち」に会いたいと思ったからだ~

仙台テクノロジーセンターのことは以前のブログにも書きました。ヒーローの何人かにはお会いして話を聞きました。

 

失ってはいけない「信用」ですが、危機に際して「信用」を高めることもあるということです。BCPでは、不測の事態に直面したときに、予期できないヒーローやヒロインが生まれる土壌をつくっておきたいものです。また、多くの隠れたヒーローやヒロインを見つけて評価することも大事です。