個人向けのスポーツ産業で国の統計があるのは、ゴルフ場・ゴルフ練習場、ボウリング場、フィットネスクラブです。
それぞれの産業にはコロナ禍の影響がありました。その前後の状況をみてみると、フィットネスクラブが最も大きな影響を受けており、未だにコロナ前を回復できていないことがわかります。健康増進のためには、フィットネスクラブの再興に期待したいと思います。

ゴルフ場の売上高はコロナ禍前の2019年には917.6億円だったものが、2020年には798.9億円と13%下落しました。
しかし、翌2021年には早くも944.3億円となりコロナ禍前を超え、023年には1057.8億円となりました。
ゴルフ場の売上高はコロナ前にも減少傾向が続いていたので、2000年代前半の水準に戻っています。
ゴルフ練習場の売上高推移では、コロナ禍による減収が認められません。2021年度の売上高で368.4億円という大きなピークがあった後に減少に転じていました。
感染リスクが小さいゴルフ練習場には、コロナ禍がむしろ追い風になったのかも知れません
ボウリング場は2019年の売上高が172.6億円、2020年は123.3億円と29%の大幅な減少になりました。しかし、その後は見事なV字回復をみせており、2024年は199億円となり、2015年の水準に戻っています。
コロナ禍の影響で大きな減収になったのが、フィットネスクラブです。コロナ禍前の3年間でみると、年間売上高は約3350億円でした。これが、2020年には2235億円と前年度比33%も大幅に下落しました。
コロナ禍が落ち着いてくるのに従って、フィットネスクラブの売上高は徐々に回復してきました。それでも2024年の売上高は2910億円に留まっています。
チョコザップに代表されるような簡易型や、パーソナルジムが話題になっていますが、本格的なフィットネスクラブの経営は厳しさが続いているようです。