岡山県の新見市議会議員選挙(定数16-立候補17)で法定得票数に届かず欠員1というニュースです。アレッ?
岡山県は正方形に近い形をしています。新見市は正方形の左上(北西)の角を占めていて、北は鳥取県、西は広島県に隣接しています。自然豊かなところで、人口約2万5千人、人口密度32人/㎢です。北海道を除けば、全国で8番目に人口密度が少ない過疎の市です。

さて、法定得票数です。
地方公共団体の議会議員の場合は以下です。
(有効投票の総数÷議員の定数)×1/4
今回の新見市議会議員選挙の場合、有権者22,298人で投票率62.54%、有効投票数13,770でした。投票率が結構高いですね。
したがって、投票に必要な法定得票数は13,770×1/4で216票になります。
16位の候補者の得票が208票だったので、当選が無効になって、新見市議会は欠員1のままになります。
地方の議会議員選挙では無投票当選が増えているというニュースをよくみます。県議会議員選挙では1/4以上が無投票当選だそうです。日本の選挙制度では、候補者が定数と同数かそれ以下であれば、選挙をおこなわず候補全員が当選します。
今回の新見市の場合は、候補が定数より1名多かったのですが、もし誰か1名が立候補していなければ無投票当選だったわけです。
宇部市でも県議会議員選挙(定数5)で無投票だったこともあります。議員ではないですが、昨年の市長選挙も無投票でした。
選挙が国民(市民)の政治参加の重要な機会であることに加えて、今回のことを踏まえると、仮に候補者が定数以下であっても選挙をおこない、候補者の信任を諮るような制度を考えてもいいような気がします。
