4月1日から東京都では「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」が施行されています。
カスタマー・ハラスメント(カスハラ)は、厚労省のWebサイトによると「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様※が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業関係が害されるもの」と定義されています。
※ 態様は、ものごとのありさま、状態のことです。行政用語です。

カスハラをされると、従業員のモチベーションが下がって、組織の生産性が低下する。最悪のケースでは、従業員が病んだり会社を辞めることもある。会社の評判が下がって、業績が悪化するかもしれない。
そこで、カスハラに対して毅然とした態度で臨むのが正しいのだ、と簡単に言えないことがこの問題の難しさです。
明らかに脅迫罪、恐喝罪、強要罪、威力業務妨害罪、ときには詐欺罪に該当するような行為であれば、弱腰になるのは禁物でしょう。ただ、99%カスハラで1%の理屈があるような場合に、どうすればいいのかは悩ましいです。
ある日の夕方、年輩の女性からお店に電話です。「孫娘がお店にアクセサリーを忘れたので、受け取りに行ってよいか?」とのことです。
電話を受けた従業員が周りの店員さんに聞いても誰も知りません。その旨を伝えると「そんあことはない。確かに3日前のお昼頃に・・・」
そこで、3日前のシフトに入っていた店員を探して訊いてみると「あぁ、プラスチック製の壊れたアクセサリーがテーブルに残っていたので棄てたよ」ということです。
電話で応対していた従業員が、ついそのまま応えてしまいました。
後は、ご想像の通りです。「孫娘が大事にしていたアクセサリーをどうして棄てたんだ」 最後には、その孫娘本人が涙々で「わたしの大事な・・・を・・・( ;∀;)」
どうしましょうか?