自助・共助・公助の三助という考え方があります。互助を入れて四助とすることもあります。
東日本大震災の被害額は計算の仕方で異なりますが、およそ20~30兆円と推定されています。震災復興にかけられた公費は、計算の仕方で変わりますが、震災から13年で45兆円以上になります。2012年度末までの最初の1年余りで18兆円が支出され、その後は徐々に減っていますが、2024年度でも6000億円の規模です。公助の規模は膨大で、長期間に渡ります。
一方で、損害保険金の支払総額は約1.3兆円ですが、このうち、1兆円は最初の3か月間で支払われています。規模は公助に劣りますが、迅速です。
震災の直後に、JR東日本が加入している地震保険から710億円が復旧費用に充当できると発表したのは、利用者に大きな安心感を与えました。
近年、何かと国や自治体の支援を期待する声が高まっているように思います。また、政府もそれに応えて大盤振る舞いを続ける傾向が見えます。特に与野党伯仲になったことで、バラマキは加速してきそうです。
しかし、災害復興は時間との闘いです。東日本大震災後の東北自動車道の早期再開など、公助であっても緊急且つ迅速に進められたものもありますが、一般的に公助は時間がかかります。公平性や公共性などを担保する必要がありからです。
それに対して、自助はスピーディーです。損害保険の加入は一例ですが、検討しておく意味があります。さらに、共助や互助は、その規模は明らかにならず、ある意味でプライスレスですが、無限の恩恵を与えます。
BCP(事業継続計画)を策定する際には、自助・共助(互助)・公助のバランスを考えておくことが大事です。