ポストコロナ。花火大会も収支改善に向かうだろう

コロナ騒動も沈静化して、今年の夏は花火大会が再開されてきました。 

 

日本で開催される花火大会は、レジャー施設でのイベントなどを含めて年間約1万回。花火の価格は500億円。見物客は延べ5億人。経済効果の総額は2.25兆円と推計されるそうです。2万発の花火で、100万人以上を動員した隅田川の花火大会は、開催コストが2億円以上かかるそうですが、211億円の経済効果という試算です。いやはや、すごいですね。

 

花火イベント
花火イベント

花火大会は日本の夏の風物詩といて定着しています。花火の歴史は火薬の歴史なので、鉄砲伝来の種子島に遡ります。

日本最初の花火大会は、1613年に徳川家康が駿府城で開催しました。徳川家と御三家の主要なメンバーが集まって、花火見物を楽しんだということです。

 

江戸、隅田川での花火は、三代将軍徳川家光が関ケ原の合戦で亡くなった方の供養として1643年におこなったのが最初だそうです。

もっとも、その後ずっと花火大会があったわけではなく、毎年開かれるようになったのは、1733年に八代将軍徳川吉宗が水神祭として開催してからです。

 

各地で復活を遂げている花火大会ですが、中止になった花火大会も増えています。台風による影響で急遽中止になるケースも多かったのですが、コロナ騒動で4年振り開催の運営に不安があるとか、経費の負担増が足枷になったところも多そうです。

 

火薬の値段も上がっているので花火の直接コストも高くなっており、運営や警備に関する費用も高騰しています。特に、花火大会は夜暗いところでおこなわれるので、雑踏事故の危険性が非常に高いという本質的な課題があります。

イベント花火を除けば、これらのコストの大半を地域の企業や事業者が負担するわけですが、コロナ騒動によって重要なスポンサーだった飲食観光業が業績を落としています。なかなか満額を負担するのが辛いです。結果として、花火大会は中止にしようとなります。

 

これからは、有料の花火大会が増えていきそうです。打ち上げる花火も、高価な大玉ではなく、小玉の連射といったコスト削減につながるようなものに代わっていきそうです。

※ 大玉(4尺玉)は1発で250~300万円もするそうです。