トリチウムは水素の同位体

福島原発事故のトリチウムを含んだ処理水問題ですが、そもそもトリチウムは天然に存在することを忘れていませんか?

 

40年以上前の学生時代に実験したことがあります。元素には同位元素というものが一定の割合で存在します。水素には1H(軽水素)、2H(重水素)、3H(三重水素:トリチウム)という3つの天然の同位元素があります。2Hは天然には10^-5、3Hは10^-18の比で存在します。

水素の同位体
水素の同位体

福島原発の処理水に含まれるトリチウムの総量は約800兆ベクレルです。これを1年間に22兆ベクレルの割合で海洋放出するという計画です。

 

世界の原子力発電所からのトリチウムの海洋放出量を合計すると年間2000兆ベクレルになります。

韓国の月城原発は2019年の1年間に31兆ベクレル(大気放出を含むと141兆ベクレル)、古里原発は同じく91兆ベクレル(114兆ベクレル)のトリチウムを放出しています。中国の泰山原発は124兆ベクレル、陽江原発は107兆ベクレル、寧徳原発は98兆ベクレルを水域に放出したと報告しています。韓国や中国の人が、日本海(韓国風なら東海)や東シナ海で獲れる魚介類を食べているはなぜでしょうか?

 

トリチウムの存在比は水素のなかで10のマイナス18乗と非常に少ないのですが、水素の存在量が膨大なので大きな量になります。地球上に存在するトリチウムの総量は100万兆ベクレルのオーダーになります。その大半は海洋(水域)に存在します。トリチウムは地球に降り注ぐ宇宙からの中性子線によっても、年間7万兆ベクレルが新たに生産されます。

 

例えば、日本に1年間に降る雨に含まれるトリチウムの量は220兆ベクレルです。人間は体重1㎏当り1ベクレルのトリチウム(体重60㎏の成人なら60ベクレル)のトリチウムを体内に保有しています。WHOが定めている飲料水のトリチウム濃度の許容値は10,000ベクレル/L以下です。