一般職として会社に勤めていた頃、7月10日は夏の賞与支給日でした。
管理職や執行役員になると年俸制になって、賞与は支給されなくなります。とても残念な思いをしました。経営者にとって、従業員に支給する賞与をどのように決めるのかは、楽しみでもあり悩みでもあります。従業員のパフォーマンスに対して、適切で納得できる賞与の支給ができるといいのですが・・。
賞与支給額を決定する最大の要因は、会社の利益額です。会社の利益を、所有者・経営者・従業員でシェアするというのは、誰にでも納得しやすい理屈です。
もちろん、利益の全額を分けてしまうと、会社のその後の発展がありませんから、将来の投資に向けていくらかを分けておきます。
それでも、会社の利益が増えるほど、賞与の支給額が増えるわけですから、仕事のモチベーションが高まります。但し、あまり行き過ぎると、経営層や上級幹部が高額な賞与を得るために、無謀なリスクを取るといった事例もあるので注意は必要です。
そこで、単純な利益額だけでない評価軸を持つことにも意義があります。例えば、ESG、つまりEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)といった評価です。
会社や部門において、ESGへの評価が高まった場合には、賞与を上乗せする。一方で、評価に懸念があるようなら、賞与を減額する。といった取り組みは、とりわけ上級管理職の活躍を促すには重要なことだと思います。