ウエストポーチのファスナーが引っ掛かります。こういうときは「KURE5-56」です。
多分、どの家にも1本か2本はあるのではないでしょうか?スプレー式の防錆潤滑剤としては、KURE5-56以外のものが思いつきません。工場で機械のメンテナンスをするときでも、特徴的な赤いスプレーを日常的に使っていました。発売から60年以上になる商品ですが、普通にスゴイ!ことだと思います。
KURE5-56は呉工業の商品です。呉工業は広島県の呉市とは関係が無くて、創業者が呉全徳という方です。1960年に東京都千代田区で創業されています。
極めて有名な会社ですが、資本金2千万円、従業員数69名の中小企業です。主な商品はKURE556とその派生商品のようです。
KURE556という商品名は、製造元のアメリカ・ペンシルベニア州にあるCRCコーポレーションの住所に由来するそうです。
1958年にCRC社が創業した当時の住所が1-16だったので、最初の商品に1-16と名付け、以下2-26・3-36・4-46と名付けていったそうです。5番目に開発したのが、ヒット商品になった潤滑スプレー5-56だったというわけです。尚、6番目の商品は6-66としたかったのですが、666は縁起が悪い(暴君ネロに由来)なので6-56となっています。
60年以上に渡って陳腐化しない商品の品質は驚愕ですが、5-56という無機質なネーミングも絶妙だったのかも知れません。また、日本のKUREは名前由来ですが、広島の海軍都市、呉市を連想させることもあって、商品の信頼性を高める効果があったような気がします。