台湾の歴史を知って交流を深めていこう

台湾海峡がきな臭いことになっています。台湾有事の危険性は高まっているように思います。 

 

台湾には10回くらい行ったことがありますし、台湾の方と政治の話をしたこともあります。しかし、台湾の歴史については、やはり曖昧です。これは、多くの日本人に共通だと思います。過去の歴史を知らないと、現在の台湾情勢を理解できないですし、将来の危機への対処も難しいように思います。

 

日本台湾交流協会
日本台湾交流協会

少し古いですが、日本総研「台湾の歴史を知ろう 2001年07月01日 渡辺利夫」を参照します。

 

大陸中国が台湾に関心を持つ以前に、ポルトガル、オランダ、スペインがかわるがわる台湾島を支配しました。ようやく、大陸中国が台湾を統治するのは1684年のことです。 

 

当時の台湾は人口十数万人の未開の地でした。一方で対岸の華南沿海部は人口が増えて新たな土地を求めていました。

華南に住む多くの住民が、中国(清国)政府による禁止措置や、台湾海峡を小舟で渡るという危険にもかかわらず台湾へと密航していきました。それでも中国政府は台湾にはあまり関心を持っていませんでした。

 

中国政府が台湾経営に乗り出すのは1884年のことで、劉銘伝を初代の台湾巡撫として派遣しました。その僅か10年後の1895年に日清講和条約で台湾は日本に割譲されます。この日本統治時代に、児玉源太郎や後藤新平といった人たちによって、まだまだ未開の地であった台湾の社会資本は急速に整備されていきます。

 

1945年に太平洋戦争は日本の敗北で終わります。台湾は日本の支配から、国共内戦に敗れて中国大陸から逃れてきた蒋介石が率いる国民党支配へと変わります。50年間の日本統治時代の資産を、一夜にして国民党は掌中にしました。

 

台湾では国民党独裁の時代を経て、徐々に民主化の機運が高まり、1988年に国民党の総裁に李登輝がつきます。本省人(1945年以前から台湾に住んでいた人)で初めての総裁で、台湾民主化の父と言われる李登輝がリーダーとなったことで、台湾は民主化を加速させます。

2000年には、ついに陳水扁による民進党政権が樹立されます。その後、馬英九による国民党政権をはさんで、2016年からは蔡英文による民進党政権が継続しています。

 

昨年の統一地方選で国民党が勝利(民進党が敗北)したことから、中国共産党は国民党を懐柔しようとしています。一方で、軍事行使もあからさまにちらつかせてもいます。貿易戦争も激化させており、力による台湾併合を急いでいます。

しかし、習近平は「一つの中国」と言いますが、台湾が大陸中国政権と一つだった歴史は1884年から1895年の10年余りしかありません。

 

日本と台湾には正式な国交はありませんが、経済や文化の面で交流がさらに活発になり、日台関係が良好に拡大することを願っています。