山の遭難、最も多いのは高尾山

ゴールデンウィーク後半は雨になりそうです。今年は山の遭難ニュースが少ない印象です。 

 

山での遭難というと、北アルプスの槍穂高や剱岳など3000m級の山を連想しますが、日本で最も遭難件数の多い山は、東京の高尾山(599m)です。高尾山では年間100件を超える遭難が発生しています。2位は富士山ですが、3位は兵庫県の六甲山(931m)で年間50件以上です。北アルプスは、槍穂高、立山剣、後立山など全部まとめて150~200件です。

 

高尾山頂(ニュース画像)
高尾山頂(ニュース画像)

警察庁によると令和3年の山岳遭難は2635件、遭難者は3075人、死者行方不明283人、負傷者1157人でした。

 

高尾山や六甲山でも遭難死する人はいます。こうした山での遭難態様の多くは道に迷うことです。北アルプスなどでは道に迷うより、滑落や転倒・転落などで遭難します。

 

地図を持たずに山に入る人が増えているそうです。また、地図は持ってはいても読めない人も多いようです。また、ガイドブックならともかく、ネット上のブログ投稿だけを信じてルートを決める人もいます。自身の技量・体力・経験が投稿者と同じとは限りません。

 

高尾山や六甲山のように、登山者に人気が高いところでは標識などもしっかり整備されています。スマホは普及して、これらの山ではたいてい接続できます。登山地図アプリも普及してきて、スマホのナビ通りに行くなんて人も多いようです。

 

新型コロナによる制限が緩和されて登山者が増えてきます。高尾山や六甲山は、SNSなどで海外にも広く知られているので、外国人観光客の入山も増えてきそうです。遭難する人が増えていかないか心配です。あんまり親切で便利になるのも、困りものかも知れません。

 

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