高圧ガス容器の使用期間を確認しよう~検査会社や研究機関

仕事で高圧ガス容器の再検査について勉強しました。注意喚起です。

 

高圧ガス保安協会のwebサイトに容器保安規則関係の事故実績が掲載されています。高圧ガス容器のバルブ操作を取り違えたミスとか、高圧ガス容器を重機で誤って傷つけた、災害で流出したといった事例をありますが、容器そのものの老朽劣化による事故も稀ながらも起こっています。

 

高圧ガス容器の事故
高圧ガス容器の事故

高圧ガス容器の事故を防ぐには、容器が健全な状態であることの確認が必要です。

 

法律で、高圧ガス容器の検査期間が決まっています。例えば、家庭で使っているプロパンガスのボンベ(25L~50L)では、製造後5年目に初めての検査を受検し、以降10年・13年・16年・19年・20年以降は毎年の検査を受けます。

容器再検査の要件はガスの種類によって異なりますが、概ね5年くらいで検査を受けます。☞ 高圧ガス容器検査協会のwebサイト 

 

高圧ガス容器の検査は年間35万件余り行われています。このうち15.5万件くらいがお馴染みのプロパンガスボンベです。2番目に多いのは約14万件で炭酸ガスボンベ(ビールサーバー・炭酸飲料用など)です。以下、空調機の冷媒に使うフロンガス、溶接用のアルゴンガスとか酸素ガス、医療用の酸素などが続きます。

 

ここで、高圧ガス容器の再検査を受けるタイミングなのですが。基本は法で決められた期間を超過して充填する前に検査を受けます。

例えば、5年毎に検査を受ける必要のある容器で前回の受検が2018年4月1日であれば、5年経った2023年4月1日以降にガスを充填をするなら、再検査が必要です。LPガスや炭酸ガスなど日常的に使用する容器であれば検査はきちんとおこなわれて事故はほとんどおきません。

 

しかし、分析会社とか研究機関などで使用する高圧ガスはそんなにたくさん使用するわけではなく、ボンベの交換も数年に1度ということも多いです。5年に1度の容器検査が義務付けられていても、そもそも5年以上滞留しているボンベもあります。これは違法ではありません。

 

放置された容器による事故がときどき発生していますから、各事業所や機関の技術者はリスク管理という意味で、高圧容器の使用期間を確認しておくことが必要です。もし長期間滞留しているような場合は、業者に回収してもらうことも検討するべきでしょう。