後継者不在率が大幅に改善~事業承継・引継ぎ支援

中小企業の後継者不在が問題となって、事業承継が国家的課題となったのですが、随分と様変わりしてきました。

 

昨年11月に帝国データバンクが全国・全業種約27万社を調べた結果、後継者不在率は57.2%。コロナ前の2019年からは8.0pt、前年21年の不在率61.5%からも4.3pt低下し、5年連続で不在率が低下した。後継者不在問題は急速に改善してきているようです。

 

後継者不測の解消へ向かうi
後継者不測の解消へ向かうi

事業承継のタイプでは、買収や出向を中心にした「M&Aほか」の割合が20.3%と初めて2割を超えた。後継者で最も高いのが「非同族」の36.1%となり、「子供」を抜いて初めて首位となった。

 

後継者不在率が大幅に減少したのは、①国や自治体が事業承継・引継ぎを支援する活動を積極的に推進した効果が出た。②コロナ禍に対応した金融支援を受けた経営者が自社の将来について真剣に考えた。③コロナ禍やその後の物価高などで事業の継続そのものを諦めた。といった理由です。

 

都道府県後継者不在率
都道府県後継者不在率

山口県は2017年に後継者不在率全国2位(75.0%)となり、県内が大いにざわつきました。

しかも、そのときの1位は沖縄県です。沖縄県で後継者が不在なのは、経営者がまだ若いという事情があるので、事業承継・引継ぎの困難さでは全国一という評価でした。

 

そんな山口県ですが、2022年は後継者不在率65.3%と大幅に改善されて、順位も全国8位となりました。だいぶ目立たなくなってきました。

代わって、お隣の島根県・鳥取県の山陰2県が1位と2位(しかも、何故か島根県は後継者不在率が上昇している)になりました。

 

私の周りでも、後継者を「子供」以外とする企業が増えています。M&Aなどで第三者が後継者になる例も見られますし、従業員への承継も明らかに増えてきました。

 

また、最近は経営者の年齢が70~80歳代の場合、子供ではなく「孫」へ事業承継する事例がチラホラ見えるようになっています。20歳代の若者が事業を担う例が増えてくるわけで、よいことだと思います。