3.1)お土産文化は日本のものづくりの力を示している

岸田首相が欧米出張で閣僚へのお土産を買ったのが怪しからんと、国会で論戦になっています。いつもながら、日本の国会論戦はトホホです。

 

お土産を買いに出掛けたのが首相の政務秘書官を務めるご長男で、その際に公用車を使ったというのも問題にしているようです。ただ、秘書官が親族であるなしは問題の本質とは関係ありませんし、海外で公用車を使うことも当たり前です。そこで、進歩派の方々が、お土産文化そのものが、日本の古くて悪しき慣習のように言いはじめました。いや~、危ないです。

 

おみやwebサイト/山口県にリンク
おみやwebサイト/山口県にリンク

お土産文化の起源については、長野県の和菓子老舗・開運堂さんのwebサイトから参照します。

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もともとは神社仏閣に参詣したことを、帰宅してから家族などに報告するための証拠の品として、寺社などからの「授かりもの」を持ち帰るのが「おみやげ」の原初的な形態だったようです。

 

日本でおみやげ文化が主流になったのは、江戸時代のお伊勢講がきっかけとされています。当時庶民にとって、一生に一度の夢は伊勢神宮への参拝。しかし旅費が高額だったため、村人皆でお金を出し合い、くじ引きで選ばれた代表者が参拝できる「お伊勢講」という仕組みを作りました。村人は代表者に餞別を渡して自分の祈願を頼み、代表者は神社でもらうお札を貼る板「宮笥(みやげ)」を村人分買って帰りました。

 

しかし、参詣する人数が増えていくと、すべてを「授かりもの」とするわけにもいかなくなり、これに代わる品を「おみやげ」として売る店が門前に発達し、神社仏閣の門前や街道の茶屋などで、餅・団子・饅頭の類が「名物」として知られるようになりました。

 

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お土産文化というのは、江戸時代からの巡礼文化の一つの要素として、今の日本に持続しているというわけです。巡礼とは、信仰を確認し、より深めようと、日常的な生活を一時的に離れて、聖地や霊場を旅することです。四国霊場八十八か所とか西国三十三か所巡礼ほど本格的でなくても、今に残る日本の文化です。

 

巡礼は、仏教だけでなくキリスト教やイスラム教など多くの宗教で見られる行為です。お土産文化も、多くの国でみられますが、欧米先進国では廃れているようです。

先進国となった日本で、お土産文化が根強く残っているのは、江戸期に考案され全国に出回ったお土産(名物)が、数百年経った現在でも愛顧されつづけているからでしょう。日本のものづくりの力、老舗長寿企業のたくましさが、日本のお土産文化を持続させてきたわけです。

 

山口県にもたくさんのお土産好適品があります。萩焼の茶碗なんかいかがでしょうか?

おいでませ山口へ!