日本の雇用保護は国際的には中の下

テレビのコメンテーターさんが「過剰な雇用保護をやめることが必要」と言っていました。

 

日本で、成長産業(企業)に人材がしなやかに流入するには、過剰に守られている雇用保護が足枷になっているということです。主に、自身が経験されたアメリカとの比較です。アメリカでは、金曜日の終業時にボスが「また来週会おう」と言わなければ、月曜日には次の仕事を探すことになるという話(都市伝説かな?)です。

 

雇用保護指標(2013)
雇用保護指標(2013)

労働政策研究・研修機構のwebサイトに「経済協力開発機構の雇用保護指標2013について」という記事がありました。

 

ちょっと古い記事ですが、「日本の一般労働者の雇用保護は、34か国中低いほうから10番目。—有期労働者の雇用保護は、低いほうから9番目。」という副題です。

日本の雇用保護が過剰かどうかは比較する国によって異なります。日本の雇用保護制度はOECD全体では中程度となります。

 

雇用保護指標が低い(規制が少ない)国は、アメリカ・カナダ・イギリス・ニュージーランドです。アングロサクソン系の国が低規制の国です。この表にはありませんが、アジアではシンガポールが低規制国です。

 

逆に雇用保護指標が高いのは、ドイツ、ベルギー、オランダ、フランス、イタリアなどヨーロッパの大陸系の国になります。例えば、日本の労基法では解雇予告期間は30日となっていますが、ドイツは勤続年数によって異なり勤続20年以上では7か月です。やはり表にはありませんが、アジアではインドネシアが高規制国です。

 

残りの国は、雇用保護指標が中程度に分類されます。日本は、OECD指標では「中の下」といったところです。

コメンテーターさんもそうですが、日本の識者はアメリカ・イギリスで教育を受けたり働いたりした経験(たぶん、良い経験)がある人が多いです。英米基準が国際基準というわけでもないので、気をつけたいところです。