コロナ禍では家庭の省エネが課題

コロナ禍では、エネルギー消費は企業部門・運輸部門で減少し、家庭部門で増加します。

 

2020年度(コロナ禍1年目)のデータでは、企業部門のエネルギー消費は8.0%減(製造業では9.7%減)、運輸部門は10.3%減に対して、家庭部門は4.8%増加しました。コロナ騒動で生産活動も移動も減ったので、在宅時間が長くなったことの影響です。

 

大人数の家庭ほどエネルギー消費は大きくなりますが、1人当りでみれば小さくなります。高齢者世帯は若者世帯よりも1人当りのエネルギー消費が大きくなります。この一番の要因は、高齢者の在宅時間が長いことです。つまり、単身世帯・高齢世帯の増加は、エネルギー消費を増やすことになります。

 

電力消費に限れば、エアコンの消費電力が最も大きいので、うまく使いたいものです。今の時期では、扇風機を併用するのがお奨めです。扇風機のモーターの消費電力はとても小さいので、風をあてて涼しく感じる効果は大きいです。なお、扇風機は冬の暖房でも、室内の空気を循環させるのに効果があります。

 

電力消費が2番目に大きい冷蔵庫ですが、無駄な開閉をしないで、開閉時間をできるだけ短くする、冷蔵庫内にモノを詰め込み過ぎない(冷凍庫はモノがあるほうがよいです)などがよく言われる省エネ術です。

また、冷蔵庫には設定(強・中・弱とか)がありますが、なんとなく強になっていたら、中にしてみましょう。実は、これが省エネ効果が最も高い方法で、強を中にするだけで8~10%の省エネになります。今の電気代なら、年間2000円を超えるかも知れません。

 

日本の9~2月の平均気温偏差
日本の9~2月の平均気温偏差

さて、実は家庭のエネルギー消費は冬季の気温による影響が大きくなります。

東日本大震災以降は家庭のエネルギー消費は減少傾向にありましたが、2017年度に突然増加(4.2%増)しました。これは、2017年度が平均気温偏差でマイナス1.5℃を超える厳冬だったからです。

 

2020年度の家庭のエネルギ消費が増加している一つの要因は、前年の2019年度が極端な暖冬(気温偏差でプラス2.25℃)だった反動という面もあります。

これは、どうしようもないです。