国産小麦を使おう!食べよう!~安全保障に貢献

昨年(2021年)国産小麦は大量に余り、倉庫を新しく建ててまで保管しています。

 

ロシアとウクライナとの戦争で、食糧危機が叫ばれています。そのなかで象徴的に取り扱われるのが小麦です。マスコミ報道だけをみれば、日本では小麦は全く生産されていない。ロシアやウクライナから小麦が入ってこなくなって、もうすぐパンやパスタが食べられなくなる。と思ってしまいます。

 

山口県の小麦「せときらら」
山口県の小麦「せときらら」

選挙もありましたから、政治家さんたちが、食糧安全保障の観点から、緊急に国内農家に対して小麦増産に向けた政策を実行する!と高々に宣言します。

 

なんとなく誤解があります。「日本の穀物生産は需要に対して少ない」というわけではありません。

 

2021年に日本で生産された小麦は約86.4万トンで、需要は81.3万トンでした。つまり差し引き5.1万トンも余ってしまったのです。そこで、小麦用の保管倉庫を急遽建築したところもあります。大麦・ハダカ麦はさらに豊作だったので、需要が9.34万トンに対して12.9トンが収穫されました。実に27%を超える供給過多でした。

麦が売り残って余っているという事実が、農家に小麦の増産を働きかけても、消極的にならざる得ない理由です。

 

2021年に輸入された小麦は約484万トンで、予想より10万トン以上減っていますが国産の5.6倍もあります。大麦・裸麦の輸入は20万トンでした。

 

日本の麦生産を増やすには、国産麦の需要を伸ばすことが大事です。山口県の学校給食用パンはほぼ100%が山口県産「せときらら」になりました。町のパン屋さんでも「せときらら」を使うお店が増えています。☞ 2021.05.31 ぶちうま!山口県が誇る小麦『せときらら』

 

このところブームになっている高級食パンですが、チェーン店では、原材料:小麦粉(国内製造)と記載されています。原料小麦はカナダ産など輸入品が多いようです。一方で、個店の高級食パン店では、国産小麦100%を謳うお店が出てきました。お店の側から、こんな小麦があればなぁ、という声が上がればいいなと思います。

 

パンでは敷島製パンのPASCOブランドで、国産小麦を使用した商品ラインアップが人気です。また、国産小麦の最大手需要家は餃子の王将です。王将チェーンは餃子の皮だけでなく、麺も全て国産小麦を使用しています。こういう大口需要がもっと増えるといいですね。

 

つまり、国産小麦の生産を伸ばすには、需要を増やすことです。国産小麦は値段が高いから、経営が成り立たないといわないでください。王将フードサービスの2022年3月期決算は、売上高848億円で経常利益130億円、純利益88億円と過去最高を記録しています。王将餃子240円、王将ラーメン500円です。☞ 餃子の王将公式webサイト

もし、あなたがどちらかのラーメン店を選ぶ場合があったなら、王将を選ぶほうが、国の安全に貢献することになります?~まぁ、僅かですが・・。