松下幸之助の言葉です。どんなに不景気でも、発展していく道は必ずある。
「商売は成功するものである。商売が成功しないのは、経営の進め方に当を得ないところがあるからである。時代や、景気や、得意先が悪いのでもなく、すべて経営が悪いのだ。商売は、損をしたり、儲けたりするものではない。不景気のときもよし、好景気ならさらによし、でなければならない。本物の商売人は、不景気のときに向上発展の基礎を固めるものである。」
![松下幸之助](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=341x1024:format=jpg/path/sa3592213af7de219/image/i7f5dd23b55a4b958/version/1652733060/%E6%9D%BE%E4%B8%8B%E5%B9%B8%E4%B9%8B%E5%8A%A9.jpg)
本物の経営をすれば不況は無い、ということですが、本物の経営とは何かです。
顧客が欲しいものを、安定したものづくりによって、高い品質で、安価に提供して、顧客満足度は常に優れているなら、不況は無いのでしょうが、そんなことを達成できるとも思えません。
「向上発展の基礎」とは何かを考えなければならんのだろうと思います。また、それは会社によって異なるものですから、自社の向上発展の基礎をどこに見出すかは、経営者によって違ってくると思います。
一時期、顧客満足より従業員満足に重きを置くという考え方が広まりました。従業員の柔軟な発想による、独自の工夫こそが「向上発展の基礎」だという会社もあるでしょう。従業員の定着率を高め、適切なエンパワメントを実行することによって、その基礎を固めるという経営者もあると思います。
およそ不況に強い会社は、一般管理費・販売費の割合が低いということに気づいて、合理化を図るという経営者もあるかも知れません。売上原価率には大きな違いがないのに、会社の収益性に大きな違いが出てしまうことはよくあります。「向上発展の基礎」は、管理コスト・販売コストの合理化にあるという経営者もいるでしょう。
コロナ騒動で、苦境にある会社も多いなかですが、「不景気のときもよし」となるような基礎を固めることができればと思います。