タイタニック号の日。人は危機に際しても意外に理性的

今日(4月14日)は「タイタニック号の日」なんだそうです。

 

リンクした雑学ネタ帳”今日は何の日”から・・1912年(明治45年)のこの日、初航海中のイギリスの大型客船「タイタニック号」が、北大西洋ニューファントランド沖で氷山に激突して沈没した。乗客乗員2208人のうち1513人が死亡または行方不明となる大惨事だった。これは当時、海難事故における最大の死者数であった。

 

タイタニック号沈没
タイタニック号沈没

タイタニック号の沈没では、695人しか助かりませんでした。生存率は31.5%です。

 

このとき、誰が亡くなり、誰が助かったのかを調べた結果が発表されています。

Frey, Savage&Torgler (2001). Behavior under extreme conditions: The Titanic disaster. Journal of Economic Perspectives, 25, 209-222

 

全体の生存率は31.5%です。乗船していた乗客・乗務員はおよそで男性が1730人、女性が480人です。沈没後、男性の生存率20.6%に対して女性の生存率は72.4%でした。つまり生存者は男女がほぼ同数でした。

 

女性の場合、子ども連れの女性の生存率は94.7%(子供無しは70.5%)でした。また、16歳未満の年少者の生存率は47.8%と高く、年齢が高くなると生存率が下がります。

また、乗務員の生存率は23.8%でした。

 

1等船室客の生存率は61.7%、2等は40.4%、3等は25.3%と差があります。これは階級差だけでなく、船の上階と下階という構造や、1等船室客に夫婦や家族連れが多かったのかも知れません。

また、単独旅行者の生存率は24.0%に対して、集団旅行者は34.2%です。これも、単独旅行者には男性が多い(女性が少ない)ということでしょうか。

 

国籍では、英国人の生存率は25.3%、スウェーデン人は25.5%、アイルランド人は34.2%、アメリカ人は49.1%でした。これも、アメリカ人が自分勝手という意味ではなく、乗務員や単独客に英国人が多いということでしょう。

 

まぁ、いずれにしても、危機に陥った人は、「より弱いものを守る」という生物の本質的な倫理観や、社会的な規範を守って行動すると言えるようです。また、家族や仲間が周りにいれば、理性を失うことも少ないとも考えられます。