令和2年度(2020年度)の総合エネルギー統計(確報)が発表されました。
2020年度の最終エネルギー消費は前年度比6.7%と大幅に減りました。コロナ騒動での景気低迷の影響もありますが、GDP縮小分を越えてエネルギー消費が減って(つまりエネルギー消費原単位が改善して)います。また、エネルギーの供給サイドは化石燃料シェアが引き続き減少し東日本震災以降で最少となっています。
![日本の最終エネルギー消費の推移](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=341x1024:format=jpg/path/sa3592213af7de219/image/i5e59bfc280842def/version/1650092000/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%9C%80%E7%B5%82%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E6%B6%88%E8%B2%BB%E3%81%AE%E6%8E%A8%E7%A7%BB.jpg)
最終エネルギー消費では、コロナ騒動で企業・事業所向けが8.0%、運輸向けが10.3%と大きく減少しましたが、在宅時間が延びたことで家庭のエネルギー消費は前年度比4.8%増えました。
製造業においては設備稼働率の低下、事業・業務用でも活動の低下がエネルギー消費を抑制しました。
家庭用の増加には、前年(2019年)が記録的な暖冬だった影響が加味されています。(2020年も平年よりは暖かい冬だったのですが・・)
最終エネルギー消費では石油のシェアが下がってきていますが、それでも約半数(47.4%)を占めます。石炭もシェアを落としており、2020年度は10%を切って9.3%でした。
一方で、石油・石炭からの転換で、電力のシェアは27.2%、ガスのシェアは8.7%に増加しています。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=341x1024:format=jpg/path/sa3592213af7de219/image/i866774dd0ff5fe11/version/1650092000/image.jpg)
国の省エネルギーの総合的な進捗は、GDP当たりの最終エネルギー消費で評価します。2020年度の日本では、GDP1億円あたりのエネルギー消費が2,298GJ(ギガ・ジュール)となりました。
グラフのように、日本の省エネルギーは進歩を続けていることがわかります。
海外との比較では、日本を1とすれば、EUが1.3、米国が1.8、韓国2.8、中国4.3、インド4.7、ロシアは6.3となります。
日本のエネルギー効率は世界のトップで、名実ともに省エネ先進国なんです。
(一方で、エネルギー自給率が11.2%しかないという大きな課題があります。)
エネルギー起源CO2排出量は10億トンを下回りました。2050年のカーボンニュートラルに向けての脱炭素化は順調とも言えます。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=683x10000:format=jpg/path/sa3592213af7de219/image/i9f89a1dc81d4cfbf/version/1650090835/image.jpg)
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