ポピュリズムという手法

橋下徹さんが朝からテレビで吠えています。私には、橋下さんとプーチンさんとが、重なり合うように見えるんです。

 

橋下徹さんが今でも事実上のオーナーシップを取っているのが維新の会ですが、大坂の吉村知事や松井市長のほうはメドベージェフさんとかミシュスティンさんと重なり合うのです。個人的な感想で特に他意は無いのですが、橋下さんの維新の会とプーチンさんのロシアは、政治手法がとても似通っているように感じます。2008年のプーチンとメドベージェフのタンデム体制を真似て、2011年に橋下さんと松井さんで府知事と市長の交代がありました。

 

プーチンさん
プーチンさん

コトバンクによると、<ポピュリズム> 日本では、「大衆迎合」「衆愚政治」「扇動政治」、最近では「反知性主義」などと同じ意味で使われることも多いが、アメリカでは一般的にポジティブな意味合いで用いられることが多い。とあります。

 

吉田徹氏は「ポピュリズムとは、国民に訴えるレトリックを駆使して変革を追い求めるカリスマ的な政治スタイル」としています。

逆に言えば、カリスマ的な指導者が大衆のエネルギーを最大限に引き出して、何らかの政治的な目標を達成する技法というわけです。

 

リーダーが大衆を先導するには3つの要素が必要だそうです。

➀ 大衆に利益がある(と錯覚させる)こと。 ② ストーリー性(劇場で演じているような:小泉劇場とか)があること。 ③ 叩き潰すべき敵がある(あえて敵をつくる)こと。

 

そして、このリーダーは形式的には民主的な方法で、大衆によって選出されていることが肝心です。選挙で選ばれたリーダーは、次の選挙で敗れるまでの間は大衆の民意を代表していると主張できます。批判する者が出たきたら、これを敵に仕立て上げて、民意に反するのかと激しく恫喝するのです。大衆はリーダーが徹底的に敵を痛めつけて、敵(本当は味方だったのかも知れませんが)が挫ける姿をみて、留飲を下げるのです。

 

プーチンさんは、民主的な選挙で選出されています。ウクライナへの侵略についての巧みな説明は、ロシア国民に支持されています。劇場型の演出で、強大だけれど倒さなければならない敵をつくり出すことにも成功しました。そして、何よりウクライナ侵攻は世論の支持を受けているのです。

ロシア政府系機関の世論調査はもとより、イギリスやアメリカなどの調査会社が2月前半におこなった世論調査でも、ウクライナ侵攻に過半数のロシア国民が賛同していました。これは事実です。

 

ロシアも大阪も、外から客観的に見れば他の国や他の地域と比較して、経済面でも社会生活の面でも悪化しているのですが、ロシア国民も大阪府市民も気にしません。何故、そういう政策の意思決定となるのか?よそから見れば不思議なことばかりですが、カリスマの魔術には太刀打ちできないわけです。

 

リーダーが、他人の批判を封じ込めること、劇場(激情)型の演出をすること、あえて敵をつくろうとすることに腐心しているようなら、気をつけることだと思います。自然科学の法則に従って、論理的に考察して、自分の意見を持つようにしたいです。岸田さんの「聞く力」も存外、良いかもしれないですね。