フォアキャスティングとバックキャスティング

将来に向けた対策を立てる場合には、大きく分ければフォアキャスティングとバックキャスティングの2つの方法があります。

 

フォアキャスティングは、現在の経営環境(内部環境・外部環境)が継続すると仮定した場合の将来を予測して、それに対してどんな対策をとるかを検討する方法です。バックキャスティングは、将来のある時点の望ましい状況を想定して、それを達成するためにはどんな行動が必要かを検討する方法です。

 

フォアキャスティングとバックキャスティング
フォアキャスティングとバックキャスティング

経営計画を策定するときは、多くの場合はフォアキャスティングの方法を取ります。

現在の事業の状況をできるだけ正確に把握したうえで、今後予測される環境の変化から成り行きの未来を予想します。

 

成り行きの未来が望ましいものであることは少ないので、これを改善する複数の対策案を検討します。その対策案のなかから、実現可能性と効果の大きさを評価して、具体的な行動計画を策定します。

一般的に、フォアキャスティングで想定する期間は、5~10年くらいです。

 

創業に際して立てる計画とか、SDG'sや環境問題への対応ではバックキャスティングの方法をとることがあります。日本が2050年にカーボンニュートラルを達成するというビジョンを示したのがよい例です。このビジョンを実現する道筋を、やはり複数検討していきます。

 

創業の際の計画は、その時点で現実の実績が無く、今後の事業に関する環境変化などの予測も難しいので、やはりバックキャスティングで計画することがあります。若い創業者であれば、60歳のときの自分(自社)がどうありたいかというビジョンを描くことは大切です。

一般的に、バックキャスティングで想定する期間は長くなり30年とかです。

 

但し、このときの忘れがちなのが中間時点の目標設定です。30年後のビジョンを達成するためには途中段階で到達しなければならない目標を決めておきます。

但し、このときの目標は、あまり背伸びをする必要はありません。事業が成長する角度は、一定ではなく、通常の場合は最初は緩やかでも、どこかの時点では大きくなるものです。