アダムズ方式ってなかなかのもの。選挙区10増10減案

「アダムズ方式」に基づく衆院小選挙区の「10増10減」に自民党が苦慮しています。

 

この報道を見て、アダムズ方式って何? 何故、自民党が苦慮しなきゃいけないの? って思いました。調べてみると、選挙区の区割りとか比例代表制の選挙の当選者を決める方式には様々あって、アダムス方式は人口の少ない選挙区に最も手厚く区割りをする方法でした。

そして、比例代表で当選者を決めるときに使われるドント方式は逆に投票数の最も多い政党が有利になる方式です。つまり、どちらも自民党に有利になる方式として採用されています。ちょっとズルいですね。

 

開票作業
開票作業

選挙区の区割り等に使われる方式は、元はハミルトン方式が採用されていました。

しかし、ハミルトン方式には稀に不都合なことが起きます。それは、総議席数が増えたのに、ある選挙区で定数が減ることがあるのです。そこで、ハミルトン方式の欠陥を補う方式が主に5つ提案されました。

 

アダムス方式・ディーン方式・ヒル方式・ウェブストン方式・ドント方式です。

そして、この順に人口の小さな選挙区あるいは投票数の少ない政党にとって有利な結果になります。

区割りはアダムス方式で決めて、当選者はドント方式で決めるように法律で定めていたわけですから、自民党はなかなかのやり手です。

 

仮に、日本に東京都と中国地方(広島県・岡山県・山口県・島根県・鳥取県の5つ)しかないとして、全20議席を主な3つの方式で配分してみると以下のようになります。

どの方式を採用するかで、結果が大きく違うのがわかりますね。