よい経営者は丸投げが上手

「丸投げ」とは、本来は自分がやらないといけない仕事をそっくり誰かにやらせること。

 

小規模であっても事業をおこなっていると、経営者として「やらなければならない仕事」はたくさんあります。真面目な経営者は、その全てを自分の責任としてきっちりやろうと考えます。しかし、経営者の最も大事な仕事は会社の発展・成長であり、従業員や関係者の幸福を増やすことです。その前提であれば、全部を一人で捌くことはできないので、適度な丸投げを恥じることはありません。

 

砲丸投げ
砲丸投げ

商工会議所や商工会などの支援機関の専門家派遣などで、それまであまり付き合いのなかった経営者さんに合うことがあります。

そのときに、業績のよい会社の経営者さんは、総じて「丸投げ力」が高いです。

 

専門家というのは、文字通りある分野については経営者さんより高いスキルと経験を持っています。経営者さんが、それを学び、自ら身につけることができればいいですが、それは簡単ではありません。

その分野について、経営者さんがどうしても習得したいと願うのでなければ、専門家に丸投げすることも良策です。

 

ただ、「丸投げ」というのも簡単ではありません。支援機関としては、経営者さんを支援し、育成し、自立させることを目標としているわけです。会社の従業員でもない専門家としても、仕事を丸投げされても困ります。その両者の目指すところをうまく調整しながら、丸投げするのですから、相応のテクニックが必要です。

 

テクニックとしては、およそ次の3つです。

1つは、最初の半歩(一歩までは必要がありません)は経営者さんが踏み出す。丸投げする作業のきっかけは経営者さんがつくらなければなりません。

2つは、責任は全て経営者が負うという姿勢を見せる。支援機関や専門家は、自ら責任を負うことができないので、腰が引けます。責任は問わないということをはっきりさせます。

3つは、丸投げしっぱないしではない。そっくり仕事はさせても、その仕事がどうなっているのかに少しの興味を持っていることです。投げた砲丸が着地してから距離を測るだけでなく、空中の砲丸の行方を見ている(振りでもいい)ことです。

 

スッキリ丸投げし、専門家に気持ちよく働かせましょう。

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