世界各国で、3Dプリンターを使った建物の建造がはじまってきます。
欧州、米国、中国、中東、南アジアなど、いろいろな国や地域で3Dプリンターが建築の分野で使われ始めています。日本ではあまり注目されていませんが、特定の用途に限って考えればとても有意義なように思います。
ネット検索すると、3Dプリンターを使った建築がいくつも紹介されています。
動画もたくさん公開されていて、なかなか面白いものです。
建物を建てるのは、まさに卓上の3Dプリンターでフィギアをつくるのと同じです。
ただ、数メートルの仮設の足場を立てていることと、大型のノズルから出ていくのが特殊なセメント材料であるという違いだけです。
3Dプリンター住宅のメリットは、いくつかあると思います。
最も大きなメリットは、現場の作業者が少ないということです。3Dプリンターのオペレーターのほか数人程度で可能です。しかも、必ずしも熟練工でなくても作業ができます。また、作業者用の足場は不要になりますから、安全性も増します。
さらに、施工速度が速いことです。例えば災害の仮設住宅であれば、一日で完成してしまいそうです。内装工事や雨じまいなどを入れても、一週間あれば完成しそうです。
中国では2階建てのオフィスが3日で完成したとのことです。
このため、コストも安く抑えらえて、アメリカでは55㎡の平屋住居の建築費が60万円だったといいます。
3Dプリンター、つまり印刷ですから、デザインも自由自在となり、複雑な曲線も描けます。
材料も無駄もないので、環境にも優しい。
さらに材料を工夫すると、意外に強度も高くて、地震大国の日本でも可能性は高いそうです。この材料分野は、日本企業のお家芸だと思います。
後は、日本の厳しい建築規制が立ちはだかりますが、現在の内閣は規制緩和に熱心なので、ちょっと期待しています。