日本の環境に関わる人にとっては韓国の原発は大きな懸念なのですが・・・
福島第一原発が東日本大震災の津波で被害を受けて、大量の放射性物質を含む汚染水が発生しました。この汚染水を処理して放射性物質を取り除いた処理水が福島原発の敷地内に溜まったままになっています。処理した水ですから放流すればよいのですが、放射性トリチウム(三重水素)が残っているので、風評被害を恐れて放流を止めています。
韓国が福島原発の処理水の海洋放流が危険であるという宣伝をしています。
これに対して、大阪の松井知事が大阪湾に流したらいいと話しています。
実は、多くの国の原発で処理水(トリチウムを含む)を海洋に放流しています。韓国もその一つで、これまでに日本海に放出した放射性トリチウムの量は、韓国の原発で繰り返された事故での放出分を加えると、福島原発に貯留されているものの10倍以上になります。但し、これを声高に言うと風評被害が広がって日本海で魚を採っている漁業者に影響が出ます。
韓国の原発は地図のように日本海側に集中しています。世界で最も原発が密集している地域です。韓国の原発の運営管理レベルが低くて、しばしば事故を起こしています。但し、日本がこれを指摘すると、また理解できない反撃に合いそうなので言えません。
韓国の文政権は脱原発を掲げていますが、その目標年度は2080年です。原子力発電の維持を謳っている日本でも2080年に原発が稼働していることはないでしょう。このへんは、ものは言いようということです。
PM2.5問題で石炭火力発電所の新増設にも急停止がかかっているので、原発は減らせません。最新の韓国エネルギー計画では電力の原発依存度が2017年の30.3%が2030年に23.9%にしか減りません。
文政権で韓国の原子力規制委員会のメンバーが大きく変わりました。簡単に言えば、工学や自然科学系の専門家が入らず弁護士や人文系の学者ばかりになっています。韓国では、自然科学の法則より、人情とか政治哲学が上位にくることが多いのが心配です。
万一、韓国の日本海側の原発で事故があると、被害は韓国だけではなく日本海を経て日本に及びます。但し、日本だけの被害ですから、なかなか難しい問題です。