謝罪会見はマスコミにとって重要イベント

日大アメフト部の監督・コーチの記者会見が史上最悪と評価され、批判されています。

 

お辞儀
お辞儀

今回の記者会見は2時間あり、全部を見たわけではないので、本当のところはわかりません。ニュースなどの報道だけからの印象ですが、ちょっと拙い会見だったと思います。

 

以前のブログでも書きましたが、中堅以上の企業や組織では「記者会見テスト」をおこなって、不祥事への対処をチェックします。

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謝罪会見のシミュレーションは重要です。

 

日本大学は日本で最大規模の大学ですし、高度なスペシャリストも広範なゼネラリストも揃っているはずです。何故、大学がその人的資源を活用しないのか?全く理解できません。更には、危機管理学部という名称の学部(実際の学問領域は不詳ですが・・)もあるそうです。

 

記者会見で語られた謝罪というか、言い訳というかについては、確かに他の言い方がありましたね。これも以前のブログでも書いたのですが、長い人生において自ら墓穴を掘ることは確かにあります。問題は墓穴に落ちた後です。穴の底で無意味に動いていると、穴はどんどん深くなります。穴からまっすぐ出ようともがくと、穴の壁が崩れて生き埋めです。墓穴から出るには、斜めに少しづつ掘り進まないと地上に届きません。

 

実は、記者会見とりわけ謝罪会見というのは不思議なものです。その場には、被害を受けた人は居ないわけで、マスコミの記者を相手に謝罪するのです。まぁ、本来は記者さんに謝る理由は無いですし、記者さんが謝れとか自分の都合の良い(記事が売れる)ように発言させようとするのも間違ってはいます。

しかし、謝罪会見はマスコミの権威を高める最も有効な、しかも数少ない機会です。当然、力が入りますし、反響も大きいです。

 

さて、今回の会見の失敗は最初の1分間を見ただけでわかります。

謝罪を伴う会見では、最初が大事です。謝罪する側の出席者がきちんと直立して両手を横にして、上半身を90度に曲げてお辞儀をします。全員が同じ角度、同じタイミングでお辞儀をして、前後左右からカメラマンのフラッシュをしっかり浴びます。十分な時間が経過したら、また同じタイミングで頭を上げます。

これは、今や日本の謝罪会見の作法として定着していますよね。どの会社でも、あるいは芸能人の方でも、事前にお辞儀の練習を十分にして臨んでいるはずです。

 

ところが、今回の監督とコーチは冒頭で3回お辞儀をしているのですがかなり不作法です。片手のマイクを持ったままですし、監督はお辞儀の角度も浅くて二人が合っていません。お辞儀している時間も足らないし、頭を上げるタイミングも合っていません。この点だけみても、準備不足は明らかで、心がこもっていない印象を与えました。

 

日本大学は、国内でも屈指の優秀且つ巨大な組織です。在校生や多くの卒業生のためにも、早期に正常化させることが望まれます。