早朝の飲酒運転検問

下関市内で早朝に会社へ向かっていたら飲酒運転の検問にあったそうです。

 

前夜遅くまで仕事をして終わらず、自宅で仮眠して、早朝に仕事の続きをすために会社に向かっていたところです。飲酒運転は問題なしですが、折角の時間を削られておかんむりです。その方、若い方ですが、かなり飲める方なので、本当はリスクもあったかもと思います。

前夜に遅くまで飲んでいると、寝て起きてもまだお酒が残っている場合があります。

 

ところで、もし従業員が朝の通勤途上に検問で飲酒運転となった場合に会社としてはどのように対処しますか?

近年の飲酒運転厳罰化の流れで「飲酒運転は絶対にしてはならない。酒気帯び運転でも検挙されたら懲戒解雇」という規則の会社もあります。(例えば京王プラザホテル) こういう会社は、そもそも自家用車で通勤をすることが無いので、厳しい規則も問題ありません。しかし、山口県では自家用車以外での移動は困難ですから、この規則の徹底するにはハードルがあります。就業規則の見直しを含めて、検討することは大切です。

 

さて、「ビジネスマンのための法務力(芦原一郎)」の冒頭の課題が「早朝の飲酒検査」です。ここで、奨められているのが「記者会見テスト」です。

 

 

例えば、あなたの会社の従業員が早朝に酒気が残ったまま交通人身事故を起こして、社長が記者会見を受けると仮定したシミュレーションをします。

記者:飲酒運転が社会問題になっているなかで会社はどのように考えているのか。

社長:重要な問題と考えて社員に啓蒙をしていました。

記者:啓蒙と言うが、具体的には何をしていたのか。

社長:各事業所に文書で通達をしていました。

記者:壁に紙を貼っていただけで、こういう事故がなくなるのか。

社長:いや~。申し訳ありません。他にもいろいろやっているはずなので、詳細は○○部長から報告させます。

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これでは、翌日の新聞に「社長が社員の飲酒運転を黙認放置」と載るかも知れません。

 

会社が記者会見で説明責任を果たせるだけの対策を取っていれば、現実には記者会見を求められるような事態はおきません。会社としての取り組み方を考えるうえで、「記者会見テスト」は参考になります。