クレーム対応はマニュアル化しておく

豊洲新市場の謎の地下空間問題ついて、東京都が未だに説明をしないのは異常です。

 

普通の会社でしたら、こんな対応では潰れてしまいます。コンプライアンスという言葉は、既に誰でも知っていますが、クレーム対策にはある程度のマニュアルが必要です。

 

ISO14001などの環境マネジメントシステムで、外部コミュニケーションのシステムを確立して記録を残すことを義務付けていますが、これをきちっとするだけでも、クレーム対策になります。クレーム対策のマニュアル化のひとつです。

 

先ず、クレーム(苦情や要望)が何らかの形で会社に届きます。

以前でしたら電話とか手紙でしょうが、今ならホームページへの問い合わせなどが多いかも知れません。あるいは、外部の公的機関を経由したり、会社へ直接でなくマスコミやSNSなどへの投稿の形をとるかも知れません。

 

どんなかたちであっても、認知したその瞬間が出発点です。

 

会社がクレームの存在を認識した場合に、最悪なのは放置することです。外部からのコミュニケーションは、受け付けた人や部署だけで判断せず、関わっている全ての部署のできるだけ多くの人で共有することが必要です。それも書面を悠長に回覧するのではなく、会社としてとることのできる最速の方法でおこないます。

東京都のようなたらい回しをしたら、民間企業なら経営破たんします。役所とはこういうものだという、暗黙の了解があるから東京都はつぶれません。

 

次に、クレームの内容を正確に把握します。先ずは、電話で問い合わせをすることになりますが、次には相手と会う約束をとります。メールでやりとりなどはNGで、顔を見ながら対応するのが原則です。相手が海外の会社など、地理的に行くことが不可能な場合を除けば、出来るだけはやい時期に、会社から出向くことが大切です。相手が社会全体(対象が不特定多数)であれば、記者会見などで対処することになります。

 

ところで、東京都の市場長という人は、この件で築地の仲卸業者とどれくらい面談しているのでしょうか?あるいは、していないのでしょうか?

 

もし、電話でクレーム内容が大方わかっていたなら、面談時には対応の仕方を完璧に固めておきます。必要な事後対応を、いつおこない、何を保障するかといった細部まで決めておくのが理想です。

 

仮に、そこまで詰め切れない場合には、面談に行く人にどこまでのフリーハンドを与えておくのかを明確にします。御用聞きのように、相手に話だけさせて「会社で上司と相談します」では、話がこじれるだけです。

何でもかんでも「1億円の賠償だ!」といった、クレーマーが相手ならともかく、会社に非があるなら、早い決着こそが会社の利益です。

 

これらのクレーム対応をきちんと記録に残して、再発を防止して、水平展開を図り、マニュアル化することは、マネジメントシステムの根幹です。

クレームを隠すことなく、真摯に対応することが、会社の利益や体質強化につながります。