境界を超えて・・。6月5日は環境の日

6月5日は「環境の日」です。日本では6月は「環境月間」です。 

 

「環境」は「環(円環:ぐるりと囲まれた)」と「境(境界:さかい)」なので、自分の周りを取り囲んでいる領域という意味です。「環境」は和製漢語のひとつで、英語の「environment」の訳語として1900年(明治33年)に教育者の市川源蔵氏が考案したそうです。「environment」はフランス語の「en(中に)」と「viron(回転)」と「ment(こと、もの)」から成っていて、「取り囲むもの」というのが語源です。 

 

環境月間2026
環境月間2026

環境は自分を取り巻く領域ですから、現実に・客観的に・物理的に存在しています。

 

ドイツ人のユクスキュルという人が、環世界という概念を示しました。環境の中に存在するそれぞれの生物は、その生物にとって意味のあるものだけを選んで世界(環世界)をつくっている。

 

マダニが例に挙げられています。マダニの一生は木の枝にじっとしていて、その下を動物が通ったらその背中にポトンと落ちます。もし、動物が通らなければ10年以上も何も食べずに枝の上でじっといてます。

マダニは動物の血を吸って、栄養をつけて卵を産んだら、死んでしまいます。

 

マダニには目も耳もありません。マダニが感じることができるのは、動物の汗が発する酪酸の臭いと落ちたときの動物の体温と皮膚の感覚だけだそうです。マダニにとって意味のある世界はそれだけです。

 

人間はどうかというと、目で見えているのは可視光線だけで紫外線も赤外線も見えません。耳で聞こえるのも一定の波長範囲で高周波も低周波も聞くことも感じることもありません。人間の環世界は本来は限られていたわけです。しかし、人間は技術を考案することで見えない光を見るようになり、聞こえない音を聞くようになりました。

 

環境のなかには、生物の種によって異なる環世界があって、分かれたり重なったりしていたのです。そして、それぞれの人間にも異なる環世界があります。また、人間の環世界も時を経て変わっていきます。赤ちゃんの、大人の、老人の環世界は変わっていきます。

 

ある生物にとって(ある人にとって)心地よい環世界が、他の生物(他の人)には好ましくない環世界という場合もあります。環境について考えるときには、堺を超えた環世界についても想像力を働かせることが大事です。

 

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