多能工化には標準化がセットになる

昨日の続きです。多能工化に対する反論もあるかも知れません。 

 

仕事は一つのことに集中して取り組み、熟練度を高めることで、高い品質、短い作業時間、低いコストを達成できる。多能工化を進めると熟練度が低下して、品質不良や納期遅延、ムダなコスト上昇などの弊害がでてくる。という意見は、一見するともっとももなように思えます。

 

分業
分業

工程が一つにまとまる製品とか、セル生産方式が採用されるものづくりでは、熟練した作業者の存在は大きな価値を生みます。

 

一方で、多能工化のメリットは、不測の事態が起こってその業務を担当していた人が不在になっても事業が継続できることですが、それだけではありません。

 

「多能工化のメリット=分業化のデメリット」は待機時間によるムダの排除です。

分業制の場合、それぞれの工程が同じ速度で同じように進捗することはありません。早く進んでいる工程では待機時間や調整時間が発生し、ものづくりでは仕掛品が発生します。

多能工化が進んだことで、自律的に繁閑の差が埋まり、工程間のスピード調整ができ、待機時間も仕掛品も無いというのが理想です。多能工化は経済的です。

 

一方で、熟練者によるものづくりの価値も大事にしなければなりません。芸術品や工芸品をつくっているわけではないので、その工程に何十年も専任していた人 にしかできないというのは困ります。このギャップを埋めるのが基本的は標準化です。

最も高品質、短納期、低コストが達成できる業務方法を見つけて統一し、一人の熟練者だけでなく、訓練された作業者なら理解して実行できるようします。