くっつけてははなす。離れると満たされる

部材をリサイクルする場合には、素材毎に分離することが必要です。

 

住宅用部材、例えば玄関ドアについて考えてみます。ドアが木材だけでできているなら、リサイクルは容易です。木材のまま、チップに粉砕、ファイバーに分解、パルプにする、などいろいろな段階でマテリアルリサイクルされます。そのままマテリアルリサイクルできない場合には、熱回収のサーマルリサイクルです。

 

玄関ドア
玄関ドア

ところが、ドアは木材だけでできていません。金属やガラス、樹脂(プラスチック)などとの複合材です。

さらに気づき難いですが塗料も加わります。そして、もっと気づき難いですが、多くの場合で木材そのものも合板で接着剤や接着シートで接着されています。

 

これらを分別することで、リサイクルは容易になるのですが、そもそも簡単に分離しないように接着されていますから、簡単ではありません。

分離するための技術は実在しています。例えば、全体を破砕して在室ごとに粗く分離したうえで、不純物を除去するようなことは可能です。しかし、その分離に大量のエネルギーやマテリアルを使うのでは本末転倒です。

 

あらゆる複合部材で、使用しているときは簡単には分離できず、使用を終えた後は簡単に分離できるということが求められるようになっています。これからは、「くっつけてははなす」技術が進化していく時代です。